知らないと損:2024年歯科医院で使える補助金・助成金

歯科医院で使える補助金について、制度を使える対象になるかが年々厳しくなってきていると感じています。

特に、代表的なものづくり補助金については、「公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複がある事業を申請する事業者は補助対象となりません。」という明確な決まりができてから、対象となる設備の範囲がぐっと狭まりました。

一方で、補助金が使えないという訳ではありません。自費診療にのみ使う機材であれば、補助金の活用が可能です。

実際、この規定ができて以降も、当社でお手伝いさせて頂いた補助金の採択率は100%を維持しております。

一点、気をつけなければいけないこととしては、本補助金は医療法人では使えないということです。また、今後医療法人成りを検討している方においても、この補助金は採択後も5年間は継続してレポートが必要なため、申請前含めて今後6年以内に医療法人になる可能性があるといった医院については、補助金の活用はおすすめしております。

というくらい、個人事業主であれ、医療法人であれ、補助金・助成金の適応になるかどうか、どのように申請を行うべきなのか。何を整理すべきなのか。ということは、歯科医療以外での専門知識が必要になってきます。実際、自力で補助金の採択まで持っていくのはかなり難儀なことです。そして、年々、使える制度は変わっていきます。当社では、この補助金・助成金については最新情報を常にアップデートしておりますので、何かしら適応できるものがないかといったふんわりしたご相談でもお気軽にご連絡ください。

さて、それでは、現在時点で歯科医院が使える補助金について、以下記載します。

歯科で活用できる代表的な補助金・助成金

※状況により種類が変わる可能性があります。

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補助金

1. ものづくり補助金※医療法人は使うことができません。

中小企業・小規模事業者などが取り組む革新的サービスの開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。機器の導入やシステム開発など、設備投資を行うときに役立つ可能性のある補助金です。

例として、歯科矯正のみに使用する機械やインプラントのみに使用する機械が対象となるイメージです。

その他、意外と知られていないですが、例えば、MS法人で歯科技工所を経営されていらっしゃる医院になると、MS法人(株式会社、有限会社等)としての申請が可能です。

2.事業承継・引継ぎ補助金※医療法人は使うことができません。

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継に関わる専門家(仲介業者含む)に支払う費用や、事業承継後の新規投資に関わる費用に対する補助金です。例として、個人事業主の親から歯科医院を引き継いだ。等の要件です。なお、単純な不動産だけの引き継ぎ。居抜き物件の後に入った等は対象となりませんので、ご注意ください。

3. IT導入補助金※医療法人でも使用可能

中小企業や小規模事業者が生産性を向上するためにITツールを導入する際に受けることができる補助金のことを言います。例として、レセコンや自動釣銭機が対象となります。この申請については、業者に申請をお願いする形になりますので、選定したレセコン会社に相談してみてください。

 

助成金

1.キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、事業主が現在雇用している非正規労働者を正社員に転換する場合にもらえる助成金です。受付、医療事務、看護師や歯科衛生士などをパートで雇用することも多い歯科業界では、パートの職員の待遇アップの際に活用しやすい助成金です。

キャリアアップ助成金では、正社員への転換で職員の待遇(賃金)が上がることを条件としています。「見合った賃金がもらえない」という、離職につながりやすい不満を解消し、さらに賃金アップ等でかかる費用を助成金で賄えるため、歯科クリニックには特にオススメの助成金です。

2.働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

働き方改革推進支援助成金は、労働生産性を高める機器・システムを導入し、新たな休暇制度&時間単位で有休取得できるルールを設けることで、機器・システムの導入費用のうち、最大200万円が助成される助成金です。歯科クリニック導入できる設備は、

・歯科医院等の治療用機器、チェア

・自動精算機

・予約管理システム

・勤怠管理システム

などがあります。設備投資をお考えの歯科クリニックには特にオススメの助成金です。

3.業務改善助成金

業務改善助成金は、設備投資などにより生産性向上を実現し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げるともらえる助成金です。

対象となる設備は、

・歯科医院等の治療用機器、チェア

・自動精算機

・予約管理システム

・勤怠管理システム

などです。人材不足を解消するためにも従業員の賃金をアップし、従業員の負担を軽減するための設備投資をお考えの飲食店には特にオススメの助成金です。

4.両立支援等助成金

両立支援等助成金は、労働者の職業生活と家庭生活を両立させるための制度の導入や事業内保育施設の設置や女性の活躍推進のための取組みを実施するともらえる助成金です。

女性のスタッフが多い歯科クリニックでは、産休・育休、また休暇後の復帰のための制度を充実させておくことで、離職者を減らすことができます。スタッフのライフステージが変わっても、働き続けられる医院を目指したいという歯科クリニックには特にオススメの助成金です。

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今回、代表的な補助金・助成金を記載させて頂きましたが、例えば、MS法人を持たれている医療法人等になってくると、また使える選択肢がぐっと広がることもあります。

また、それ以外でも国が出しているものではなく、地方自治体が独自に行っている制度の活用といった選択肢もあります。

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