01
何にお金と時間をかけるかを、医院の方針から決める
売上を伸ばしたい。利益を残したい。院長が診療以外に使う時間を減らしたい。どれも経営の課題ですが、必要な取り組みは同じではありません。患者さんを受け入れる余地があるのか、人の配置に無理があるのか、費用が増えているのか。まず、今の医院で起きていることを見ます。
そのうえで、院長がどんな診療を届けたいかを確かめます。数字をつかみ、人と仕事を整え、売上向上に取り組む。三つを見ながら、お金と時間を優先して使う先を決めていきます。
02
取り巻く環境は、医院ごとに読み方が違う
歯科診療所の数、人口の動き、保険診療の価格。医院の外側の変化も、経営の前提になります。ただ、全国の数字だけでは、その医院の商圏で何が起きているかは分かりません。
2025年10月1日時点
65,624施設
活動中の歯科診療所(厚生労働省 医療施設調査)
棒の長さは0から比べています。差は754施設です。
2024年
−55万人
総人口の前年比(総務省統計局 人口推計)。総人口は1億2380万2千人
制度の前提
公定価格
保険診療の価格は医院が自由に決められません。診療報酬には改定があります。
全国値は地域ごとの需要とは異なります。医院の商圏と患者層を別に確認します。
同じ数字でも、駅前と住宅地、院長一人の医院と複数の歯科医師がいる法人では、意味が変わります。保険診療の価格は自由に決められないため、来院人数、診療の組み合わせ、受け入れられる体制を、医院ごとに見ていきます。
03
院長は、チーム全体を見ながら診療も担う
院長は診療をしながら、方針、資金、契約、人の体制、情報連携まで全体を見ています。サッカーに例えるなら、監督に加えてGK・DF・MF・FWの役割を行き来している状態です。
院長が担う範囲:監督 + GK・DF・MF・FW
診療に加えて、経営の全体を見る
方針、資金、契約、人の体制、情報連携。院長は複数の役割を行き来しながら診療も担っています。
ブレーンが、判断の準備を支える
調べる・比べる・影響を整理する。院長が全体を見渡し、何から取り組むか判断できるよう、一緒に考えます。
ポジションは考え方を伝える例えです。GKが経理、のように職種と一対一で対応させるものではありません。
専門家は外から支えるコーチ/ブレーンとして、数字と状況を分析し、選択肢や優先順位を院長と整理します。どの案を選ぶか、医院をどう進めるかという判断を支えます。
04
三つの領域は、互いに影響し合う
数字を読む人、日々の仕事を回す人、医院の診療を伝える人。一般の会社なら担当が分かれている仕事も、歯科医院では院長や一部のスタッフに集まりがちです。三つに分けて見ると、どこに負担が集まり、何が他の判断を左右しているかが分かりやすくなります。
01
数字の管理
バックオフィス
売上・費用・利益・資金繰り
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課題を知る
02
日々の運営
運営
人員配置・業務分担・日々の作業
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受入体制を整える
03
売上向上
フロントオフィス
認知・来院・継続
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売上向上の実績が、また「数字の管理」に戻る(毎月くり返す)
- 費用が重いと数字で分かったら、業務分担や作業の流れを見直す。
- 人員配置が整うと、予約枠が安定し、来院と継続を受け止められる。
- 来院の実績は、売上や利益として数字に表れ、次の判断の材料になる。
内装や設備の投資は資金に響き、資金は人員の幅を決め、人員は受け入れられる患者さんの数を決めます。来院数と診療内容は、再び数字に戻ります。一つだけを良くしても、他の領域で無理が出ることがあります。
05
売上向上は、数字の把握と運営につながっている
医院の売上は、診療の延べ人数と、一人あたりの診療収入で見られます。延べ人数は、医院を知ってもらい、初診で来院し、必要な治療を受け、継続して通う流れの積み重ねです。どの段階で減っているかを確かめると、手を打つ場所が見えます。
1医院を知ってもらう地域と認知。来院経路を確かめ、診たい患者さんに医院の診療が伝わっているかを見る。
2必要な診療が届く初診から必要な治療、継続受診まで。説明の分かりやすさと信頼を大切にし、医学的な適応を尊重する。
3受け入れ体制を整える人員、予約枠、設備、分担。受け入れられる体制があって、売上は続く。
- 来院経路
- 初診
- 必要な治療
- 継続受診
医院の売上の要素
診療の延べ人数 × 一人あたりの診療収入
どちらも同じ集計期間・同じ集計基準でそろえて見る。診療の構成や単価、受け入れ体制で変わる。
利益と資金は、別に見る
売上 − 費用 = 利益 / 資金は現金の出入り
売上が伸びても、費用の増え方や、入金と支払いの時期、元金の返済で、利益や手元の資金は変わる。
必要な診療を、届ける体制を考えます。
ただし、患者さんが増えても、担当できる人や時間、予約枠が足りなければ受け入れられません。診療の内容は歯科医師が患者さんごとに決めるもので、売上のために誘導することは考えません。数字、体制、来院の流れを、あわせて見ます。
06
現状とあるべき姿の差から、優先順位を決める
収支や資金の状況、院長の一週間の時間、来院経路を見て、現状を把握します。次に、提供したい診療、無理のない人員の規模、地域で担いたい役割といった、あるべき姿を言葉にします。二つを並べると差が見え、他の課題の原因になっているものを探せます。
-
1
現状を把握する
見るもの
- 収支と、資金が何か月分あるか
- 院長の一週間の時間
- 来院経路と、地域の様子
-
2
あるべき姿を言葉にする
出発点
- 提供したい診療
- 無理のない人員の規模
- 地域で担いたい役割
-
3
差を見つける
見極め
- 1と2を並べて、差を挙げる
- 他の課題の原因になっている差を探す
-
4
優先課題に配分する
決めること
人時間資金を、全部ではなく優先課題へ。他は当面のやり方を維持する。
予約が埋まらない原因が、新患の数ではなくキャンセル後の枠の扱いにあった、ということもあります。差の原因まで見て順位をつけます。
そのうえで、人、時間、資金の配分を考えます。全部を一度に変える必要はありません。医院ごとに、どこから手を付けるかを決めます。
07
開業や改装の準備は、早く相談するほど選べる幅が広い
開業、移転、改装では、立地、内装、資金計画の判断が、その後の数字と運営を大きく左右します。資金調達は、こうした開業準備や大きな投資の場面で必要になる具体策の一つです。
-
立地・コンセプト
選べる幅:最も広い
地域と患者層、診療の組み合わせから、場所の候補を比べられる。
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内装設計・業者比較
選べる幅:広い
見積りを同じ範囲にそろえて比べ、動線や設備の組合せを検討できる。
-
契約・工事
選べる幅:狭まる
契約後は、変更に費用と時間がかかり、動かしづらい。
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開業後
選べる幅:調整が中心
運用や告知は見直せるが、建物側の条件は変えにくい。
内装の見積りを見るとき、同時に確認する三つ
資金総額と、運転資金への影響
診療動線滅菌・受付・ユニットの動き
認知と患者体験外から見えるもの、来院後に感じるもの
業者ごとに、見積りに含まれる範囲と価格が違います。金額だけで比べず、含まれる範囲をそろえてから比較します。
内装は見積りの範囲も価格も業者ごとに異なります。金額だけで比べず、診療の動線、患者さんの体験、毎月の数字への影響を同時に見ます。契約や工事の前から相談することで、選べる幅が残ります。
08
メディリンクスの経営・運営サポート
医療法人の事務局運営に携わった経験をもとに、日々の経営管理と運営をサポートしています。数字を読むだけで終わらず、その背景にある診療体制や業務、患者さんとの接点まで見て、院長と次の取り組みを考えます。
開業準備や大きな投資に伴う資金調達の相談にも対応しますが、融資の可否は金融機関が決めるもので、結果はお約束できません。税務、労務、法務は、必要に応じて各分野の専門家と連携します。どの案を選ぶかは院長が決めます。
数字を把握し、日々の運営を整え、売上向上につなげる。現状を一緒に確かめるところから、始められます。
経営サポート「シカパト」を見る医院の形を考える
コラム 売上1億円を超えたら、医療法人にするべきか。 手取り、法人に残る資金、事務の負担。法人化で変わることを、数字と図で比較します。- 個人の手取り
- 法人に残る資金
- 維持費と事務負担
- 退任までの期間
- 分院・承継
気になる領域から、具体的に考える
開業を予定している方へ →参考資料
厚生労働省「2025年医療施設調査」、総務省統計局「2024年人口推計」、厚生労働省「2026年度診療報酬改定」。医院数は2025年、人口は2024年の統計です。経営に関する解説は当社の支援の考え方です。
