01
使い道と必要額を月別に出す
資金は、使い道と調達方法を分けて数えます。使い道は、内装工事や診療ユニットなどの設備資金と、開業前後の人件費・家賃・材料費などの運転資金です。保証金や敷金も加え、支払いが必要になる月と金額を月別の表に並べます。
調達方法は、自己資金と借入などです。月別の支出から自己資金でまかなう範囲を引くと、不足額と、その資金が必要になる時期が分かります。この二つが、金融機関に相談するときの出発点になります。
設備資金だけで借入額を決めると、開業後に資金が足りなくなることがあります。保険請求分は後日の入金になるため、売上が立っても手元の現金が増えるのは少し先です。この時間差を見込み、運転資金は別に置きます。
02
金融機関への相談と比較
金融機関には、政策金融機関、銀行、信用金庫、信用組合などがあり、融資の考え方や相談の進め方がそれぞれ違います。どこが有利かは、計画の内容、地域、自己資金の状況によって変わり、一概には言えません。
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1必要資金の根拠
- 設備資金・運転資金
- 用意できる自己資金
- 必要な調達額
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2金融機関の候補を比べる
- 政策金融機関
- 銀行
- 信用金庫・信用組合
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3条件を照合する
- 金利
- 期間・据置
- 返済額・実行時期
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4月別に確認する
- 借入
- 支払い
- 診療開始
どの金融機関が有利かは、計画の内容や地域で変わります。優劣は決めつけず、同じ項目で並べます。
融資の可否は金融機関が決めます。図は確認の順番を示すもので、金額の例ではありません。
相談は、候補地や概算の必要額が見えた段階から始められます。必要資料と審査で確認される点を知り、物件や工事の契約に進む前に計画を調整します。候補となる金融機関の条件は、次の表の項目でそろえて比べます。
申込み、審査、借入契約、融資の入金は別の段階です。入金予定を工事・機器の支払日に重ね、据置期間中の利息と元金返済が始まる時期も確認します。物件の確保と審査の都合がかみ合わない場合は、支払条件や契約時期を相談し、資金の裏付けを確かめます。
| 比べる項目 | 見るポイント | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 金利 | 固定か変動か、期間中の総支払額 | 返済表で総額を比べる |
| 返済期間・据置期間 | 返済開始の時期、据置中の利息 | 開業後の収支の見通しに重ねる |
| 毎月の返済額 | 診療が立ち上がる時期でも払えるか | 遅れた場合の収支でも確かめる |
| 審査と入金の時期 | 申込みから借入契約、入金までの日数 | 工事・機器の支払日と並べる |
| 保証・担保 | 必要な保証や担保の条件 | 各金融機関に書面で確認する |
03
事業計画の根拠を更新する
相談で出た条件や求められた資料をふまえ、事業計画の数字の根拠を更新します。どんな診療を、何人の体制で、一日に何人診るのか。地域にどんな患者さんがいて、どう医院を知ってもらうのか。診療、人員、売上の見通しが一本につながっていると、金融機関にも説明しやすくなります。
売上の予測は、希望する金額から置かず、受け入れられる予約枠と来院の見込みから積み上げます。人員は、採用が予定どおり進まない場合の体制も含めて人件費を置きます。
立上がりが遅れた場合の収支も用意します。計画を立派に見せるためではなく、院長自身が遅れたときの備えを知っておくためです。
04
見積り・契約・補助金の条件確認
賃貸借、リース、内装工事、機器購入の契約は、結ぶと見直しにくいものです。内装の見積りは業者によって含まれる範囲が違うため、設計費、看板、家具、設備工事、諸経費の扱いをそろえてから金額を比べ、資金計画に反映します。
補助金は、対象となる経費や時期の条件があり、先に支払ったうえで後日入金される制度が多くあります。使えると決まる前から、使える前提で資金計画を組みません。税務や法務の判断が必要な部分は、税理士や弁護士などの専門家に確認します。
05
支払・融資実行・返済を照合する
月ごとに、売上、費用、工事・設備の支払い、融資の入金、返済、手元資金を同じ表に置いて照合します。利益と資金の残高は別で、保険請求分の入金時期も月ごとに反映します。
元金の返済は費用ではなく、資金からの支出です。利益が出ていても、返済は毎月の手元資金を減らします。
開業後は、実際の数字を計画と見比べます。立上がりが遅れたときは、費用の調整、告知の強化、予約枠の使い方の見直し、追加の資金相談といった選択肢があります。追加の相談は資金に余裕のある時期のほうが進めやすいため、早めに数字で気づく仕組みが助けになります。
06
資金面で一緒に比べること
メディリンクスは、医療法人の事務局で資金や支払いの管理に関わってきた経験をもとに、院長の判断に必要な比較を用意します。たとえば、診療方針と体制の前提を置いた収支・資金計画、内装や機器の見積りを同じ範囲にそろえた比較表、月別の支払い・融資の入金・返済を並べた資金表です。
借りられる額に合わせて投資を膨らませるのではなく、立上がりが遅れた場合にも支払えるかを確かめます。借入額、見積りの採否、契約・発注の時期を、同じ資金表で判断できるようにします。税務や契約の専門判断は、税理士・弁護士などと確認します。
資金の計画は、借りる時点で終わらず、返しながら診療を続ける毎月につながっています。必要額と時期を月別に置くところから、準備を始められます。
経営サポート「シカパト」を見る開業時に考える三つの領域


