歯科医院の開業準備 / 運営

診療体制と採用

開業の運営は、診療体制を決め、その体制をつくる人を迎える準備です。歯科衛生士の採用環境は厳しく、歯科医師も条件の合う人を採る難しさがあり、立地の影響も大きいため、採用の見通しを置いて考えます。

開業時の人員と仕事の流れを考える歯科医院のイラスト

何を、いつ決めるか

このページで決めること

  1. 01

    診療と生活条件を決める

    目指す診療と、院長の生活条件、診療日・時間を整理し、求める体制を考える

    確認すること院長一人で始める案と勤務医を迎える案が、それぞれ書き出されている

  2. 02

    採用の条件を整える

    採用圏、職種、勤務条件、経験、求人で伝える内容を、体制案ごとに決める

    確認すること通勤手段や始業・終業時刻を含め、応募前に伝える条件が確認できている

  3. 03

    採用状況で計画を更新

    応募や面接の状況に合わせて、体制、勤務日数、開業準備の日程を見直す

    確認すること採用が遅れた場合の体制と人件費が、資金計画と照らして確認できている

融資の相談や採用の準備は並行します。契約・発注の前には、資金と体制、日程がかみ合っているかを確かめます。

01

診療体制は院長一人か勤務医か

まず、院長が目指す診療と生活条件を置きます。診療日と診療時間、一週間に診療へ出る日数、自宅からの通勤、家族の事情によって、一人で診る日が多くなるのか、勤務の歯科医師に任せたい日があるのかが変わります。

Staffing目指す診療から、開業初日の受け入れまで
  1. 1目指す診療 院長が届けたい診療
  2. 2必要な体制
    • 院長中心
    • 勤務医を迎える
  3. 3職種・勤務・役割 経験、日数、仕事内容
  4. 4採用・入職・事前準備 慣れるまでの時間も見積る
  5. 5開業初日・初期の診療 患者さんを受け入れる

初期の様子を、目指す診療と体制の見直しに戻す

体制により、必要な設備、勤務、採用条件、資金が変わります。

院長一人の体制と、勤務の歯科医師を迎える体制では、診療ユニットの数、診療室の広さ、受付や滅菌の動き、人件費、採用の時期まで前提が違います。勤務医を迎えると予約枠は増やせますが、人件費と採用の準備が加わります。

一人で始めてあとから増やす案と、最初から勤務医を前提にする案を並べ、それぞれで必要な設備と資金を概算します。勤務医が採用できなかった場合の案も、一つ用意しておきます。

02

採用の厳しさを計画に入れる

歯科医師や歯科衛生士は採用が難しく、募集を出せばすぐ採れるという前提では、診療体制や売上を計画できません。募集から入職まで数か月かかることもあり、希望する人数や時期に合わないこともあります。

目指す診療から、必要な職種、経験、勤務日数、仕事内容を整理し、体制案ごとに募集条件を決めます。歯科助手は未経験からの応募もあるため、経験者に任せる業務と、入職後に覚えてもらう業務を分けます。慣れるまでの期間と、そのぶんの人件費も、開業前から運転資金に入れます。

勤務時間、休日、給与、仕事内容、入職後の進め方は、求人で応募前に分かる形で伝えます。入職後の認識の違いを減らすためです。

03

通勤圏と勤務条件

採用には立地も大きく影響します。応募する人が通えるかどうかは、最寄りの駅やバス停からの距離、車通勤の可否と駐車場、始業・終業の時刻と電車・バスの本数などで決まります。診療時間や休日と合わせて、通える範囲を想定します。

駅に近い場所が常に採用に有利とは限らず、郊外だから採れないとも言い切れません。駅近は家賃が高くなることがあり、郊外は車通勤ができる分、駐車場の台数が条件になります。職種や年代、勤務時間によっても変わるため、想定する採用圏を決めて確かめます。

立地は開業後に簡単には変えられません。開業前に、患者さんの来やすさ、スタッフの通いやすさ、院長ご自身の通勤を合わせて物件を比べます。

04

職種の役割と患者さんの流れ

受付、アシスタント、衛生士、歯科医師が、どの仕事を受け持つかを、開業前に書き出します。予約、問診、診療の準備、滅菌、会計という流れの中で、担当が決まっていない仕事があると、開業後に院長が引き受けることになりがちです。

資格が必要な業務は、資格をもつ人が担う範囲を守って分けます。患者さんが来院してから帰るまでの動線を、内装の設計と合わせて確認すると、動きにくい箇所に着工前に気づけます。

先に決めること決まらないと起きやすいこと準備の段階でできること
診療体制(一人か複数か)ユニット数や広さが合わない設計の前に体制案を決める
職種と人数募集条件があいまいになる診療から必要な職種を整理する
通勤できる範囲応募や入職につながりにくい交通手段と勤務時間を合わせる
仕事の分担院長に仕事が集まる仕事を書き出して担当を置く

05

開業前の日程をつなぐ

開業前の数か月には、設備の導入、スタッフの入職、予約や会計の動作確認、院内の動き方の練習、告知の準備が重なります。ディーラーは設備の導入の段取りに、設計・内装の会社は工事の工程に詳しいため、頼れる部分は頼ります。

ただし、診療の方針、採用する人、設備の優先順位を決めるのは院長です。各社の日程を一枚にまとめ、入職日と設備の納品日の前後関係、工事後にスタッフが準備できる時間が確保できているかを確認します。

06

採用状況に合わせて体制を更新

応募や面接の状況は、開業前から体制に反映します。予定の人数が採れていない場合は、診療の開始時の予約枠、勤務日数、開業準備の日程を見直し、人件費も資金計画に戻して確かめます。

開業後の最初の数か月は、予約の埋まり方、来院の経路、スタッフの動き、院長の時間の使い方を確かめます。人員が足りない、または余っているときは、勤務日数や時間を調整します。入職したスタッフが慣れるまでの期間も考慮し、判断を急ぎすぎないようにします。

07

体制と採用で一緒に比べること

メディリンクスは、診療体制と採用条件、人件費を照らして確認します。たとえば、院長一人の案と勤務医を迎える案のそれぞれについて、必要なユニット数と人件費を並べ、求人で伝える勤務時間や通勤条件を診療時間と照らします。

採用、納品、工事、告知の日程をつなぎ、採用が遅れた場合の体制と資金への影響も確かめます。勤務医の入職を待つか、院長一人で始めるか。その判断を、人件費だけでなく設備と開業準備の日程まで含めて比較します。勤務条件の専門判断は社会保険労務士などと確認します。

開業時の体制は、院長の生活条件、診療方針、採用の見通しを合わせて決めます。体制案ごとに、必要な職種と迎える時期を日程の上で確かめるところから始められます。

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